ニキビを克服するためのピル

女性のニキビを治療するピル

2018年05月11日 15時46分

すべてのピルがニキビを治してくれるわけではありません。日本にはニキビを治療する目的で許可されたピルはありません。アメリカでは何種類かが認可されていますが、すべて女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの両方を含む、併用型のピルです。
 
エステロゲンには皮脂の分泌を低下させるはたらきがあり、さらにはコラーゲンの生成も促す「美の女王」的な成分です。反対にプロゲステロンは、皮脂を分泌させるはたらきがあり、ニキビを悪化させる可能性もある成分です。ニキビの治療に適したピルは、プロゲステロンのはたらきを抑えたものになります。
 

ピルの基本的な服用方法

1シートに4週間分のピルが入っています。21錠セットと28錠セットがあり、28錠セットの方は飲み忘れ防止に効果的です。
 
ピルは生理初日から、同じ時間に毎日1錠、確実に服用します。そのご3週間、毎日続けて服用したら、その次の1週間は服用しません。
 
21錠セットと28錠セットがあるのはこのためで、28錠セットの最後の7錠は、ブドウ糖などで作られた偽薬です。この偽薬は、服用してもしなくても効果に影響はありません。
 
服用し忘れには十分注意してください。服用し忘れた場合は、なるべく早く服用する必要がありますが、避妊を兼ねていないのであれば、それほどシリアスになる必要はありません。
 

ニキビ治療におけるピルのメリット

ニキビ治療にピルを使用すると、アクネ菌の増加を抑制し、ニキビの減少、炎症の軽減とニキビの症状の良化が見込めます。特にニキビの症状が軽度で避妊も必要な女性の場合は、ピルによるニキビ治療が理想的です。
 

ピルのリスク

現在のピルの主流は低用量ピルです。ピル自体の安全性は増していると言っていいでしょう。これにより医療リスクは大幅に軽減されましたが、ピルを服用している女性には、心臓発作、脳卒中などの危険な副作用のリスクが若干ながらあります。
 
ピルの使用ができないケース
ピルを服用する前に、病歴をチェックする必要があります。ピルの服用により病状の悪化を招く可能性があるので、必ず確認しましょう。
 
  • 心臓病、高血圧、足や肺の血栓の病歴
  • 血液凝固障害
  • がん、特に乳癌、子宮癌、または肝臓癌の病歴
  • 肝臓疾患、糖尿病、片頭痛
  • 35歳以上で喫煙者
 
以上のような症状、条件にあてはまる場合、通常、ピルの服用はできません。必ず医師に相談するようにしてください。また、妊娠している、もしくは授乳中の方は、絶対にピルを服用しないでください。
 

ピルでニキビ治療を成功させるために

ピルを服用するニキビ治療で重要なことは、やはり医師とこまめにコミュニケーションをとることです。
 
すべてのニキビにピルが効くわけではありません。常に医師の指示に従うようにしてください。
 
ピルは安全を考慮し、スケジュール通りに服用する必要があります。ピルの服用には副作用がともなう場合があります。長引く場合には、必ず医師に相談してください。よくある副作用は、頭痛や吐き気、不正出血、乳房の張りなどです。副作用の多くは、ピルの服用初期に現れます。通常は数日から1ヶ月程度で治まります。
 

ゴールを決めて継続的に。治療のゴールを設定することは重要です。

ピルを使ったニキビの治療では、通常、1ヶ月もすれば、かなりの効果を感じることができるでしょう。ニキビの程度によりますが、慢性的な場合は3ヶ月程度で、かなりの症状改善を実感できるはずです。
 
ピルによるニキビ治療の目的は、症状の改善はもちろんですが、ニキビができやすい体質と環境を変えることにあります。このステップには、ピルの規則正しい、継続的な服用とともに、食生活の改善、ストレスをため込みやすいライフスタイルの改善、飲酒や喫煙についても考える必要があります。
 
また、現在、服用している薬についても、必ず医師に相談してください。ピルの役割を阻害するサプリメントや薬があります。代表的なものに抗生物質、てんかん薬、睡眠薬などがあります。この中にはピルの効果を高めてしまうものもあり、ひじょうに危険です。
 
ピルを服用することで、不安定なホルモンバランスに起因するニキビは治療することが可能です。医師の指示に従い、ただしくピルを服用することで、必ず肌の状態は良くなります。笑顔で安定した日常生活はすぐそこにあります。